ごく最近整備された竹取公園なるものが富士市にあります。その他、
かぐや姫の里と言う事で、富士市の表玄関、新幹線の新富士駅なんかに
もどか〜んと壁画が描かれていたりします。
平安時代に書かれた竹取物語(いわゆるかぐや姫の話)の発祥の地と
いうふれこみなわけですが・・。
確実な史実は、江戸時代の白隠さんというお坊さんが、この地に残る
竹取り物語に似た伝承を記録しているという事らしいです。私のような凡人
の考えだと、時代もずいぶん後ですし、平安時代に書かれた竹取物語を誰か
このあたりの人がそれらしく子どもに話してやって、それが伝承化したと
しか思えないのですが・・。 ^^; そういう話は全国に。いや世界的に広がっ
ているみたいです。なにしろ原作が古い話ですから。
(後で、神道集という鎌倉時代の本にも、このあたりの地にかぐや姫風の
話しがあると書かれていると知りましたです。だから、もうちょっと古い
みたいですね。)
それでも、富士市(の誰か偉い人)がかぐや姫で売り出したいと言う気
持ちは、わからないでもありません。そりゃ〜まあ、良くできたストーリー
だと思います。
ただ、民間伝承と言うには、よくでき過ぎていますね。明らかにプロ級
の作家による娯楽ストーリィであって、民話とは言い難い。
特にそれらしいのは、民話にありがちな教訓を全然、含んでいないっ
て事です。もちろん、無理に引き出せば引き出せますが、基本的には
ストーリィの面白い展開が主体。
それと、白隠さんがこの地で記録した「竹取縁起書」だと、なにやら
翁が神様になったり超自然的な物がたくさん出てきますが、本来の竹取
物語は、姫様が月から来たと言う特異性を持っている以外、それ以上の
超自然的な物は出てこないのです。
各々の貴公子の諸君は、なんらの超自然的な力を使う事も見る事も
なく、むなしい策謀を繰り広げる。結果として、かぐや姫が要求する
超自然的なお宝も実際には出てこないのですね。
これは、ご都合主義に魔法や科学や宇宙人が登場する、最近のファン
タジー&SF物よりも、良くできたストーリィでしょう。だからこそ、
千うん百年の間、人気を保って来たのでしょうが。
つまり、元になった民話があるかどうか知りま
せんが、平安時代に娯楽ストーリィとして確立していた。
え〜と、写真は、竹取姫の碑石と称するものです。むかしからある
らしいです。コンクリートで固めたのは最近だと思いますが。
月の王国からやってきたお姫様と言うと、最近は、セーラームーン
が、メジャーな分けですが、そうした設定自体ウケる要素ではあるので
しょう。少しばかり、セーラームーンは後発ですし、セーラームーン
の方が
かぐや姫を真似をしただけだと言われるかもしれませんが。
ETとかも、そう言う面あるのかな?。
ちなみに、かぐや姫は、「おなかのラッパがぷっぷくぷ〜」なセーラー
ムーンの性格よりは、わがままなマーズの性格ではないかと解釈で
きます。これも美少女にはありがちな設定です。貴公子の一人は、かぐや
姫を悪女と認識して、美しさに惑わされていた自分を反省し、お宝の検索
を放棄するわけですが、賢明な判断かもしれません。(そう書くと教訓的ですが、こ
れは、本文と関係の無い勝手な解釈に過ぎませんので。^^; )
それでまあ、結局のところ、千年以上の時間差はあっても、娯楽ストー
リィの本質はあまり変わっていないと言う気がします。
あと他に、このあたりの伝説のお姫様と言うと、富士山の化身と言う
木花佐久夜比売(このはさくやひめ)がいらっしゃるわけです。
火の神でもあり、かつて活火山だった富士山を静めるために、この辺り
にまつられているらしいです。
その御利益かどうか知りませんが、最近は火を噴かない富士山ですの
で、現在ではちょっと火の神を祭る意味も薄れたかもしれないですが。
それで、火の神というと、やっぱりセーラーマーズなわけですね。
実際神社に祭られていますし。あ、このネタは、また後で、やりましょ
う。^^; 浅間神社の写真でも撮って来て。
写真は、かぐや姫が月に帰る際に後ろを振り返ったと伝えられる
見返り坂。(最近作ったようにも見える。^^; )
と言う事で、竹林の中に幽玄なたたずまいを残す竹取公園で歴史の
ロマンと、町おこし宣伝事業について、しばし思案にふけるもの一興かと
思います。
Photo by Masahiro Kezuka
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